かにのにかブログ

日々のモノローグ置き場。

2019-01-01から1年間の記事一覧

ブランディング

カイシャに入ってから、外見は使えるリソースのひとつでしかなくなった。 目、口、鎖骨、おっぱい、ウエスト、お尻、洋服、髪型、姿勢、アクセサリー、エトセトラエトセトラ。商談では相手の性別によって格好を使い分ける。男か女かなんて外的に作られた枠組…

なんだか書く気力が湧いてこないという話

書けないことを書きに来た。 胃腸炎になった話とか、どうやらおじさん受けがいいらしいという話とか、人の気持ちなんてわからないってわかってるのにわからないことにいらついちゃう自分が嫌だって話とか、久しぶりの大学の友人との晩餐は楽しくて、今度はス…

同期が辞める

入社5ヶ月目のスピード辞職。 なんとか引き止めようと大人は奔走したが、当の本人の意思はかたかった。ちなみに課長はマネジメント能力うんぬんかんぬんで呼び出され詰められていた。会社を辞めるって大変だ。 圧倒的な寂しさと納得と置き去りにされたような…

魔法の箱

わたしの社用のは黒、私用のはシルバー、他にも白、赤、ピンク、ベージュ…様々に展開しているあいつを開けば、メールができる、文章も計算も検索も電話も、離れた人と画面越しに会うことだってできる。 カイシャで電源を入れ、パスワードを打ち込めばそれは…

あなたは心配なんて望んでいないだろうけど。

あの人が適応障害だとか、軽度のうつ症状だとか、医者から言われたということには、わたしも全く驚かなかった。そうだろうなという感想しか出てこなくって、いっそ笑える。 すやすや、すいすい、ぷかぷかと学問の世界を泳いでいたのに、湿度と温度が高いカイ…

週休は3日を所望す。

3連休は正真正銘、自分のために時間を使った。といっても、土日で回復を図り、溜めた家事をやっつけ、祝日月曜日に会いたい人に会っただけなのだけど。やはり週に3日は休みが必要だ。誰だ最初に週休2日に決めた奴出て来い。 カイシャの先輩方は山に登ったら…

安易に使わないで欲しい

「こんな幸せな日々がずっと続くと思ってた……」系統のおきまりの文言が苦手だ。小説でも漫画でも、ドラマでも映画でも。告知に使われるとがっかりする。 なぜこれから悪いことが起きると描写ではなく直接的に暗示してしまうのか。わたしは甘ちゃんだから、エ…

like a baby

休みの日のわたしのことは、ほとんど赤ん坊だと思って欲しい。 休日は何も予定がない限り、ずっと寝ている。先日はというと、7時30分に起きて二度寝。12時頃起きてテレビを見ながらお昼を食べ、18時頃まで昼寝。ご飯を食べたらもう眠くなる。好きな時間に好…

BかAB

ABOABによって得られる決めつけや傾向を信じておりません。あれは人を納得させる後付けの迷信のようなものであって、コミュニケーションツールの1つでありましょう。型にはまった潤滑油に従っているふりをして、心の中ではあっかんべーしています。ちなみに…

くちべた

どうやら話し言葉より書き言葉の方が自由なようで。話すのがゆっくりだと言われるのは、ものを書くときにする言葉の吟味を話し言葉でも行なっているからかもしれません。タイミングを逃すこともしばしば。言葉を待ってくれる人たちを、わたしは愛してやみま…

拝啓、関先生

2月、眠気を誘うもったりした空気の塾の事務室で先生は 「あなたもこちら側の人間だからシャカイで生きていくのがきっと大変だ」 といったようなことをおっしゃいました。 世の中と自身の間に線を引き、漢文を読み解くことに至上の喜びを見いだす、独特なフ…

マタハラの話

ハラスメントの講師の先生は何気なく「もし周りの方が妊娠してしまったら、本心では面倒だと思うかもしれません。でも、まずおめでとうございますと言って下さい。」と、言った。 途端研修会場の壁がこちらへせり出してくるような感覚がして、つらぁ〜むりぃ…

満員電車が嫌いだ

1ヶ月以上経ったわけだけど、人間がギュウギュウに押し込められた箱で運ばれることに慣れることはない。 見渡す限り目に入るのは、背中に当たるのは不快な熱源で、自分もその内の1つだと思うとうんざりする。 上を向いてまだ誰にも吸われていない空気を求め…

おにぎりのラップ

わたしのカラダはおにぎりの包み紙みたいなものだと言い切りたいのだけど。大切なのは中身でしょうと、よく味わってと、言い切りたいのだけど。 女という皮を自分に被せている気でいるのに、外見も飾りたいし素敵だと言われたいし、シャカイで認められたいし…

40人での飲み会と下ネタの話

公の場では隠している性にまつわる話をするとそれが真のその人の姿のように感じられ、より親密になれるような気がするのでしょう。 昔の人が、もう少しお堅く同じようなことを言っていた気がします。 俗に言う花金、アルコールでタガが緩んだ人々が次々と告…

まっくろくろすけ

黒のジャケット、黒のかばん、歩幅を狭める黒のタイトスカート、ずっと爪先立ちで背伸びしている黒のパンプス。そんな就活生ルックで電車から降りるとき、電車とホームの間の黒い溝が存在感を増す。 まるでじわじわと黒が大きくなって、吸い込まれていなくな…

かさぶた

電車から降りられなかった、たったそれだけのことなのに水の玉が頬を転がり落ちる。 マスカラしてない日で良かった。 浮腫んだ身体をひきずり帰り、テレビを見ながら何もしない弟たちを前に肉をこねなければならない。明日のプレゼンについて考えなければな…

日当たり良好、庭、コーヒーメーカー付き

初めて自分のベッドというもので目覚めた朝は足先の冷たさがどうでも良くなるくらい晴れやかで、体の軽さに驚きながら目をしぱしぱ瞬かせたのでした。 父の物置となっていた元祖父母の部屋を5日5晩、罵詈雑言を吐きながら、泣きながら母と2人片付け手に入れ…

卒業に寄せて

何を思うのだろうと、いくらかわたしを面白がりながら卒業式に参加をしました。 愛する友人、後輩、夜更かし、惰眠、読むのに割ける時間との別れを惜しみ、文学を愛する大人の話を聞いて、真摯に言葉を紡ぎ続けようと、再確認した1日は読点の、ようなものに…

コールセンター

はいはいこちらコールセンター。 もしもしお電話ありがとうございます。 あらあらそんなに怒ってどうなさいました? 大変申し訳ございません。すぐにお手続きさせていただきます。 少々お待ちいただけますか、お手数おかけしますが、担当者が不在ですので、…

あの子と猫とくしゃみとわたし

好きな人が「猫のくしゃみみたい」と言ったから、わたしは自分のそれを好きになりました。 ぶえっくしょい、はっくしょいは、わたしがこの世で一番恐れる音の一つです。 自分のそれさえ怖いから、口を閉じたままぐじゅんと不恰好なくしゃみをします。 さる国…

人事の怖いお姉さん

人事の人って、大体素敵な人なのだけど、1人だけ、どうにも馬が合わなかったというか、できればもう会いたくないくらい、わたしを恐怖に陥れたお姉さんに遭遇したことがある。 二十代半ばの、テキパキしていて、笑顔が素敵で、仕事もできそうなお姉さん。 な…

不条理

さて今年も受験という嵐が到来し、端っこで関わるものとしてぐるんぐるん、渦に巻き込まれている。 胃を痛くしながら回る中で肌を刺すのはこの世の不条理だ。 まれに、不合格の理由がどこを探しても見当たらない生徒がいる。 なぜ、どうして、こんなにも愚直…

慣れてない

あまり気の乗らない飲み会だった。 よく知らない人も来るから。好きな人たちにも会えるから、行く。 何を話そうか、会話に困らないように前の晩から言葉を貯め、普段はしないマスカラを塗り、洋服は母に相談して、心も準備万端、耳たぶを赤くはらして集合場…

誤字

卒論の面接試験最中である。 穏やかな教授が「ひとつ残念なことがあるとすれば、登場人物の名前の漢字が、間違っていますよ」とおっしゃられた。それも最初から最後まで。 変換ミスである。 急いで手書きの構想ノートも見返すと、こちらは正しい方で書かれて…

新年

明けました。 無事に日をまたげたことは、喜ばしいことです。 蕎麦を食し、缶チューハイでご機嫌。 明日はブリの入った白味噌のお雑煮と、おせちを食べます。 母主導の我が家のおせちですが、今年のわたしの担当は栗きんとんと海老の塩焼きでした。 海老の足…