慣れてない
あまり気の乗らない飲み会だった。
よく知らない人も来るから。好きな人たちにも会えるから、行く。
何を話そうか、会話に困らないように前の晩から言葉を貯め、普段はしないマスカラを塗り、洋服は母に相談して、心も準備万端、耳たぶを赤くはらして集合場所へ。
いつも通り心配していたことは特になく、むしろ嬉しいゲストが駆けつけてくれたりもして、会は和やかに進んでいく。4年間勤めたバイト先、積もる話は沢山ある。
終盤、可愛い後輩たちが立ち上がり話し出し、この会の主旨を発表。なんと。わたしのお疲れ様会だというのだ。つまりサプライズ。そういえばゲストは皆、わたしに所縁のある人たちで。言葉と、プレゼントまでいただいてしまった。
想定外
本来こんな時に使われる言葉なのでしょうか。
嬉しさと驚きと信じがたさと、サプライズ慣れしていないことが相まって、あまり上手くリアクションができなかった。
これまでしてきたことが、他者からの労いの言葉に値するものなのだと、じわじわと実感に変わっていく。
とにかく慣れていないから、喜びを後から言葉にすることしか出来ないのだけれど。
こういうことに関しては、慣れすぎたくはないもので、せめてその場で気持ちを返せるように、なりたいものだなあ。