安易に使わないで欲しい
「こんな幸せな日々がずっと続くと思ってた……」系統のおきまりの文言が苦手だ。小説でも漫画でも、ドラマでも映画でも。告知に使われるとがっかりする。
なぜこれから悪いことが起きると描写ではなく直接的に暗示してしまうのか。わたしは甘ちゃんだから、エンディングを盛り上げるために用意されたにっがい苦いチョコレートがこれから出てくると分かっていた状態で咀嚼をしたくない。つまり、読み進めるための気力が著しく低下する。
意外性を作り手自身でむしり取ってしまえば、後に残るのは予定調和の困難と、とって付けられたハッピーエンドでしかない。
そもそも語り手の現在はどこにあるのか。読みながら時も追ってきたのに、唐突な回想の文言が挿入されると一気にテクストとの距離が出来る。一緒に進んでいると思ったのに、自分だけ一周遅れで走っているような。
戦略的にやっているなら良いとしても。
さりげなく香るくらいが好きだ。