かにのにかブログ

日々のモノローグ置き場。

不条理

さて今年も受験という嵐が到来し、端っこで関わるものとしてぐるんぐるん、渦に巻き込まれている。

胃を痛くしながら回る中で肌を刺すのはこの世の不条理だ。

 

まれに、不合格の理由がどこを探しても見当たらない生徒がいる。

なぜ、どうして、こんなにも愚直な努力が報われないのだろう。目指してきた結果に逃げられるのだろう。なぜ、どうして、サボっていたあの子が合格するのだろう。

この世の中は適度に手を抜いて、楽をしながら要領よく生きていく人が報われるのだろうか。

 

一つ一つ、地面を踏みしめて進んできた者の、遠吠えではない腹の奥底から引きずり出してきたような声が痛い。

 

そうじゃないよ、他の物差しがあるよ、ということは簡単で、正論でもあるけれど、受験に正面から全てをかけて向き合って来た者に伝えるのは残酷でもあって。

本当に体感するのはこの先のことだと思うから、今できるのは涙を受け止めることであって。

 

誰かを何かで測ろうとする限り、物差しとの相性問題は無くならないのだろう。物差しが測れるのは人の一側面だし、それでも世界は測ることをやめようとはしない。

生徒が泣くたび動揺して、でももう四年目だからそんなシチュエーションにも慣れて来て、心の痛みにも慣れて来て、内心不合格でもあなたの人生が悪いとは限らないし不合格も含めてあなたはあなたなんて思っちゃうわたしは他人への興味が薄れて冷たくなったのだろうかとぐるぐるぐるぐる、回っている。

 

それでも、わたしはあなたの人生を生きることはできないから、だから不合格の意味は、自分で探して欲しい。それがいつになっても良いから。