ノスタルジック小籠包
カイシャで生きやすいように、その場で可愛がられるわたしちゃんでいられるように、していたら、
そっちのモードから抜けられなくなった。
そしてものを書くこともしなくなった、
と小籠包から溢れ出る肉汁を眺めながら現状を言葉にして話したらそれはすとんとわたしの中に降りてきて、ひどく安心させた。
吐き気を催しながら言葉を打ち込んでいた一昨年の自分を掌に乗せて人差し指の腹でよしよしと撫でる今のわたしとそちらの世界には、超えたらタイトスカートが破けるくらいの溝がある、ような気がする。
びりりと裂ける音をこぎみよく聞いて世間体も一緒に颯爽と脱ぎ捨てる日がいつか来ればいい。